午前6時55分:気温3℃ 雨。
朝から小雨が降り続いています。
「苦しさ」や「一生懸命」「必死」でやっている人は、「無我夢中」「リラックスした集中」でやっている人にはどうしたって勝てない。
昨日、とある集まりの中で出てきたアスリート為末大さんの言だそうです。
「無我夢中」と「リラックスした集中」?
仕事に於いても、勝敗のため切羽詰まって我を忘れてしまうようなケースは無いとは言えないが。
「 ・・・・ どうしたって勝てない。」
寝床に着いてからも妙な違和感を覚えていた。
熟睡できずに目覚め。
朝食後、本棚から新川和江全詩集を取り出した。
『いっしょうけんめい』が好きで時折取り出しては読んでいたので、勝ち負けのなかで出てきた言葉と混ざり合い違和感を覚えたのでしょう。
余談はさておき、詩集と言えばわが家ではお気に入りの一つが新川詩集。
何度も読み返したい新川和江さんの詩の数々は、年をへても心を穏やかに解き放ってくれます。
いっしょうけんめい
いっしょうけんめい泳いだら
いつか 魚(さかな)になれますか
尾ひれが生えて すいすいと
沖まで泳いで ゆけますか
いっしょうけんめい はばたいたら
いつか 小鳥に なれますか
つばさが生えて ゆうゆうと
広いお空が とべますか
いっしょうけんめい 背のびをしたら
いつか ポプラに なれますか
みどりの葉っぱを そよがせて
風とおはなし できますか
いっしょうけんめい 咲こうとしたら
いつか お花に なれますか
ひかりと水に 愛されて
わたしもきれいに さけますか
続けて新川和江全詩集より。
教えてください どこにいればいいのか
教えてください どこにいればいいのか
ときどきぼくは
不安でたまらなくなる
腰をうかして立ちあがり
いまいる場所を
うろうろと回ってみずに入られない
どういうところなのだ ここは
世界のどこなのだ ここは
隣室には父母がいて
アルバムの中には
僕の幼い日の写真が貼ってあるけれど
小鳥がちょっととまっていった
小枝にすぎないのではないか
水夫が漂着した
島なのではないか ここは
ここへお掛け とつよい声で言ってください
宇宙の中で 地球が
夜と昼を どもることなく歌いつづけているように
鏡が
ひびきの中心に吊るされているように
古い森を叫ばせた斧が
日暮れは きこり小屋の板壁に掛けられるように
きょう座り
そうして明日も座っていい
ぼくの居場所をつきつけてください
まだすっかりは育ちきっていない
ぼくの手で さわれるように 見えるように
これらの詩がなぜ好きなのか?
考えだすと苦い思い出ばかりが蘇るのです。
06:10 気温/3℃ (.all images:biei.info)