例年より雪解けが進んでいます。
先週の暴風雪で庭先には木々の枝が飛び散り、未だ荒れ放題のまま。
その中で陽当たりの良い場所では雪も無くなり、早春を告げるフクジュソウが開花。
和名由来は、
① 旧暦の元日頃に姿を現し、正月の飾りとされ、めでたい「福」と「寿」の字をあてた。
ガンジツソウ(元日草)とも呼ばれる。
② 開花期の長いことが長寿に、黄色い花が黄金に通ずることからこの名がつけられた。
雪解けを待ちかねたかのように、山野で最も早く花を咲かせる福寿草。
「福寿」と、とてもおめでたい名前を持ち慶事に飾られる花ですが、魔除けにもされるように有毒(特に根、根茎)です。葉序は互生。花序は頂生。
更科源蔵著「アイヌ民話集」より、福寿草の話を。

【フクジュソウは霧の女神】
アイヌ名で「クナウノンノ」という。
霧の女神クナウは、父である雷神カンナカムイにホイヌ(テン)という神と見合いさせられた。
しかし、女神クナウは世界中で何が嫌かというと、ちょろちょろ藪の中をくぐって歩き、鼠の臭いを嗅ぎまわっているテンほど嫌いなものはなかった。
娘は親の命令する結婚を断ってはならないとい掟があり、否応無しに承知させられてしまった。
テンは躍り上がって喜んだ。
しかし、いよいよ嫁入りするときになって、突然クナウの姿が霧の様に消えてしまった。
テンは必死になって探し回り、とうとう草の間に隠れていたクナウを見つけ、震えているクナウをさんざんに打ちのめし、踏みにじり、「親や夫のいうことを聞かないバカ娘は、もう天に帰らずに草になってしまえ」と呪いをかけた。
クナウは、哀れな1本の福寿草(クナウノンノ)になってしまった。
クナウは、一度天上の父の姿を見たいと思うが、いつもテンの手下が見張っているのでどうする事も出来ない。
ただテンが冬のあいだ雪の中に眠っている間に、雪の消え間からこっそり美しい顔を出して、遥かな父のいる天を仰いだという。
※ 「更科源蔵アイヌ関係著作集〈2〉アイヌ民話集 (1981年) 」より
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* 草にされた霧の女神が、遥かな天上の故郷を雪の消え間からこっそり見ている姿。
◇ アイヌ語 ◇
クナウ(kunaw) → 「福寿草」
ノンノ(nonno) → 「 花 」 の意で、クナウ・ノンノ『福寿草の花』
雑)
Q: 1971年(昭和46年)5月創刊の月刊女性ファッション雑誌『 non-no(ノンノ)/ 集英社 』は、アイヌ語 ・・?
A: 女性が花のように美しくあってほしいという願いを込めて、親しみやすいアイヌ語の花より名付けられたそうです。
庭先で写真を撮っていると、アカゲラが鳴きながらサクランボの木に。
雪解け加速 ・・・ 春間近です!
12:05 気温/3℃ (.all images:biei.info)