「しつこい」「不快感がある」「内容がそぐわない」「最後のエーシーという音声が耳障りだ」 ・・・・・ 苦情・抗議が相次いだ。
震災後、民間企業がCMを自粛する中、その穴埋めとして繰り返し大量に放送されているACジャパンのCMに抗議が殺到し、ついには謝罪文まで掲載したことは皆さんもご存じの通りですが、4月に入りCM量は少なくなってきました。
「何度も目にする、何度も耳にする、何度も顔を合わせる ・・・ 何度も繰り返す(アプローチする)ことで好感度アップにつながる(好感を抱きやすい)」
ザイオンス効果は接触回数が多いほど(増えるほど)人間の好意度は高まる、という心理法則です。
繰り返し流されていても一般の企業CMの場合は「またコマーシャルか!」と、1番組内でのCM回数にはうんざりしても、CMそのものにクレームを付けるケースはあまり無いのでは。よほど興味ある新製品の案内ならいざ知らず、大半の方は真剣にCMを見ることはないでしょう。
では今回のACの場合はなぜそこまで人びとをピリピリさせたのか?
表裏、プラス効果とマイナス効果、共に視野に入れながら行動することの難しさ。
※ 不快・耳障り:最後のACの音声とは(震災後13種のCMが繰り返し流されましたが)
公共広告により啓発活動を行っている社団法人のACジャパン(旧公共広告機構)に抗議の電話が殺到していることが17日、分かった。東日本大震災の影響によって、民放テレビ各局が民間企業CMの代わりに、同法人のCMを大量放送しており「しつこい」「不快感がある」「内容がそぐわない」というクレームが集中していた。同法人の提言CMはテレビ、ラジオ、新聞社など加盟社の会費で制作。とばっちりを受けた形だけに、同法人も困惑を隠せなかった。
民間企業が震災の影響でCMを自粛する中、大量に放送されているACジャパンのCM。穴埋め的な役割を果たしているにもかかわらず、とんだとばっちりを受けている。
抗議の理由としては、同じ内容のCMが流れることに対する「しつこい」、同法人CMの最後に流れる「エーシー」という高いメロディーが「不快さを感じる」、さらには子宮がんや脳卒中予防の内容に対し「こんな大変な時にがん検診なんか行けるか」といった内容があるという。
また、同法人が国の管理下にないにもかかわらず「そんなCMを流すのに税金を使うなら、少しでも被災地に回せ」という勘違いの抗議や、中には「今から刃物を持って押しかけるぞ」という脅迫電話もかかってくるという。視聴者が勘違いしている場合は、正しい実態を説明しているが、同法人関係者は「分かってくれる人は、わずかなんです」と困惑の色を隠せなかった。
ACジャパンは、マナーやモラル向上などといった社会啓発的なCMを年間13本制作している。その制作費は約1200社の加盟社から得られる年会費で賄っており、今回大量にCMを放送しても、テレビ局との間で金銭的なやりとりは一切発生していない。
同法人では、抗議を受け16日付でHPに謝罪文を掲載。さらに、民放各局に、CM最後の音声部分を削除するよう、異例の要請を行った。要請を受けた各局が急きょ音声を消す作業に入り、この日から末尾のメロディーなしバージョンのCMも放送されている。
また、災害用のCM6本の制作も決定。通常は月単位での制作期間を2、3日に短縮、来週にも新バージョンのCMを放送する。関係者は「今回の件で、悪いイメージだけひとり歩きしてしまうのが怖い。われわれの本当の姿を知ってほしい」と訴えていた。
(2011年3月18日:デイリースポーツ)
ところで身近でしつこく繰り返し続けていても効果が薄く、未だ特効薬の無いものに“ 麻痺した道民の運転術 ”があります。
“ 北海道 / 運転マナー ”でネット検索すると、出るわ出るわ!皆さんの怒りのつぶやきが、減ることはなく近年ますます増え続けているのが現状なのです。
その要因の一つとして運転マナーの悪いドライバーに注意をしても、当人曰く「あいつの方が運転マナーが悪いべ!」と、すべて他人事となり、まさに底なし状態のやり取りが続く。
北海道に移り住み、ここは「マナーの鎖国」だよと先輩移住者に言われても、当初何のことか分からずにいたものですが、半年も暮らせば嫌でも見えてきます。
今も買い物帰りの交差点で右折待ちをしています。前車が一台!
左右の交差点の信号が黄色に変わると同時に横断歩道の上までズルズル移動を始め、青に変わる直前に急加速して対向直進車より先に右折。
運転術を始めとしあちこちで顔を出す暮らしの中でのマナーの悪さは、強い力で絡み合う根のようで、一時的にそっと根をほぐしても効き目など無く、しばらくするとまた元通りに。
ズバッと半分ほど根をカットして、新しい元気な花を再生させることができればいいのですが、その手立てがない。
「親しき仲にも礼儀あり」と言いますが、町内会、サークル、その他集まりで、親しくなってくると礼儀が崩れさることは多いものです。
移り住んだ当初、大勢の集まりの席で子どもが大人に向かって平気でを呼び捨てにする姿には驚かされたものです。
しかし子どもの場合は他意はありません。
悪気があるのではなく「だめだよ」「このように言わないと」と教えられていないだけで、要は諭された経験が少ないだけのことでした。
継続は力なり!
その場で教え続けることで、大きく変わるのも子どもだからこそ。
言葉の環境は子ども教育の場では大きなウエイトを占めるものです。今ではその環境が大きく向上し、悪いおじさんたちと陰口を叩かれながらも時間をかけて継続してきた、し甲斐があるというものです。
ところが子どもと違って大人となると、性が悪い!
絡みついた根を大胆にカットしたいと思っている方は大勢いるはずです。その方法は?
よく引用させていただくソロクライマーの山野井さんの言葉:
「怖さを忘れて鈍感になる事はきわめて危険!」
凶器を操る車の運転でも、ドンピシャに当てはまります。
備)
【 震災の名称 東日本大震災に 】
政府は、1日午後、持ち回り閣議を開き、今回の震災の名称を「東日本大震災」とすることを閣議了解しました。政府は、今後、震災関連の特別措置法や基金を創設する場合などについて、この名称を使用することになります。
今回の地震災害について、NHKはこれまで「東北関東大震災」としてきましたが、政府が閣議で名称を正式に決めたことから、今後は「東日本大震災」とすることにします。
※ NHKニュース 4月1日
14:15 気温/7℃ (.all images:biei.info)