世の中、いろいろと納得できない事があまりにも多くまかり通っています。
北海道新聞 社会
昨年完成した男女共同参画センター(札幌市北区北八西三)は、320人収容のホールや音楽スタジオ、研修室などを備え、利用者が女性だけなら、料金はすべて半額になる。なぜ女性だけが半額なのか?
あまりにも公序良俗にも劣る差別ではないかと、多くの利用者が不満を抱いていた。
記事内容)
【女性半額」は逆差別!? 市の施設で40年以上 男性団体が抗議 札幌市06年度にも廃止 】
女性の利用だけ料金は半額-。
札幌市運営の施設で四十年以上も続いてきた「女性優遇」料金が、廃止される見通しになった。
当初は女性の社会進出を後押しするためだった優遇料金も、今では男性側から「差別だ」と抗議される対象に。財政難の改善にもつながることから、札幌市は二○○六年度にも制度を廃止したい考えだが、「今度は女性側から反発を受けるかも」と心配している。
「女性の倍の料金を払わなきゃいけないなんて、差別じゃないですか」
上田文雄市長と市民が語り合うタウントーク。九月下旬の会合で、「男が料理をつくる友の会」代表の寺西義英さん(71)はそんな疑問をぶつけた。
寺西さんが問題にしたのは、昨年完成した男女共同参画センター(札幌市北区北八西三)の利用料金。同センターは、三百二十人収容のホールや音楽スタジオ、研修室などを備え、利用者が女性だけなら、料金はすべて半額になる。センター内の料理実習室を使ったことがある寺西さんは、そのたびに不満を感じていた。
内閣府によると、同種のセンターは全国各地にあるが、女性優遇は「札幌市以外では聞いたことがない」という。
札幌市が女性優遇を導入したのは一九六二年。「男女の賃金格差を考え、女性の社会活動を促す」(男女共同参画課)が当時の理由で、男女共同参画センターが完成するまでは数カ所の施設で優遇料金を適用してきた。
もっとも、最近では市に対し、制度への疑問の声もしばしば届く。ジェンダー(社会的性差)問題を男性の立場から考える団体「メンズ・リブ・フォーラム札幌」代表の松野元さん(39)は今夏、「社会への男女共同参画という趣旨を考えれば、女性の特別扱いはおかしい」と抗議した。
こうした動きを受け、札幌市は早々に「女性優遇を廃止すれば、年間約二千万円の経費が削減できる」と試算。本年度中に「○六年度から男女同一の料金にする」との方針を打ち出したい考えだが、財政難の折り、男性側の不満を利用したと勘繰られ兼ねないうえ、「制度を廃止すれば女性側が激しく反発しそう」(同課)と心配する。
一方、センターを定期的に利用する世界平和女性連合の出村幸代さん(52)は「一般料金に統一されると、利用料は倍。統一するなら女性料金に合わせて」と訴えている。