チノミシリカムイノミ

アイヌ民族の伝統儀式「チノミシリカムイノミ」(聖なる地でのお祈り)が旭川郊外の嵐山で行われました。


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「アイヌ文化の森・伝承のコタン」 嵐山

→ 伝承のコタン QTVR映像
→ チノミシリカムイノミ QTVR映像

このカムイノミの儀式は毎年この時期にアイヌ文化への理解を深めてもらおうと、旭川アイヌ協議会などの主催で開かれており、今年は第33回目。

どこのアイヌの村にも必ずチノミシリ「我らが祈る山」があり、旭川では嵐山をチノミシリと言っています。

【チノミシリ】(ci-nomi-sir 「われら・祭る・山」) アイヌ語


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カムイノミ(祈りの儀式)

神聖な雰囲気が漂う新緑の木々で覆われたコタンで静かに儀式が始まり、ポロチセ(poro-chise)の中で、いろりを囲み神酒をイナウ(木幣)にかける儀式に始まり、チセの外へ出て神々に祈りをささげた。
また、クーチンコロとアイヌ民族で旭川木彫り熊の祖と言われる松井梅太郎の顕彰碑にも酒を供えられました。

 
【チセ】(chise)= 家
     → チ(ci)= 我ら、セツ(set)= 寝床
 
  *ポロチセ(poro-chise)
     → ポロ(poro)=大きい、チセ(chise)=家
     コタンを統一する村長の家
 
旭川竜谷高等学校郷土部 近文地方における住居 より) アイヌ語

→ チノミシリカムイノミ儀式 QTVR映像
→ チノミシリカムイノミ儀式 QTVR映像


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ムックリの哭がコタンに木霊します。


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踊りが披露されました。

そして、伝統楽器ムックリの哭がコタンに木霊し、山の神や土地の神に一年の無事を祈る、ツルの舞「チカップウポポ」や動物の霊を送る舞「イヨマンテウポポ」が始まり、踊りと歌声が嵐山に吸い込まれて行きました。
最後に、一般の方々も踊りの輪の中に加わり一つになりました。

→ アイヌ民族 踊り QTVR映像
→ アイヌ民族 踊り QTVR映像

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そして今年も「アオバズク」が1羽。
「アイヌ文化の森・伝承のコタン」近くのミズナラの巨木を見上げると、枝分かれした新緑の葉陰にアオバズクが一羽。みじろぎもせずに留まっています。


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アオバズク

以前、アイヌ記念館の川村兼一館長のお話で、“フクロウは十数種類いて、アイヌではシマフクロウは「コンタクルカムイ(国をつくった神様、村の守り神、神の鳥など)」と言われていますが、アオバズクは旭川では「アフンラサンペ」、「あの世の化け物」:「アフン」は「あの世」で「ラサンペ」は「低い心」で、昔アイヌに悪いことをしたようです。”と言うお話がありました。
また阿寒湖に生息するマリモは「トーラサンペ」、「湖の魔物」と言う意味だそうです。

毎年このアオバズクの飛び立つ季節になると、羽ばたく瞬間を撮影するためにミズナラの下はカメラマンで埋め尽くされます。

もう戻らねばならない時間が近づいています。

隣の北邦野草園の入り口周辺だけ手短に見て帰ることに。
ところが、あっと言う間に顔から手足を虫に刺されました。
とにかくこの辺りは虫が多く、特にブヨには要注意です。

これからの時期、野草園観察は虫除けスプレーは必携なのですが、必ず効能を確かめてブヨに効くかどうかチェックしてください。
蚊成虫除けのみのスプレーでは全く効果がなく役に立ちません。
もちろん長袖・長ズボンは基本。
更に刺されやすい方・虫刺されで腫れ上がる体質の方は、顔を覆うネット付の帽子なども用意された方が良いでしょう。

 
アオバズク
アオバズクは、渡り鳥で、フクロウの繁殖が終わった5月頃から姿を見せます。
黒褐色の頭巾をかぶせたような頭と黄色の目が特徴的なフクロウ。
フクロウ類の中では最も一般的で、日本へは夏鳥としてほぼ全国的に渡来する。
平地や山地の樹洞に巣をつくり、夜間に飛び回って、昆虫類やカエル、小鳥やコウモリなどを捕食する。
青葉の映える5月ごろから見られることからこの名がある。
鳴き声がフクロウの鳴き声と間違う人も多いが、「ホッホッ、ホッホッ」とアオバズクの鳴き声は、2音づつ区切って鳴くのが特徴。
 
 和名:  アオバズク
 英名:  Brown Hawk Owl
 学名:  Ninox scutulata
 綱 :  鳥綱
 目 :  フクロウ目
 科 :  フクロウ科
 全長:  30センチ前後
 主な体色:  褐色
 鳴き方:  ホッホー
 嘴(くちばし)の形状:  鋭く湾曲
 嘴の色:  黒色
 冠羽:  ない
 脚色:  黄色
 季節:  5月~9月

晴れ11:40 気温/22℃ (.all images:biei.info)

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