旭川市を代表する自然の森として保護されている嵐山公園は近文山(223m)東斜面、及び嵐山(253m)一帯の自然公園です。
その嵐山公園内に北邦野草園(ほっぽうやそうえん)はあります。
場所は旭川市市街地の端に位置し(石狩川とオサラッペ川の合流地点)、旭川市江丹別町嵐山と上川郡鷹栖町にまたがり、野草園の住所は鷹栖町になる。
※ 【オ・サラ・ぺ】(オサラッペ川) アイヌ語地名
オサラッペ
o-sar-pet = 川尻・葦原・川 (旭川市史地名解)
オ・サラ・ぺ
o-sar-pe = 川尻・が葦原の・川 又は o-sara-pet = 川尻・開けている・川
(「旭川市近郊のアイヌ語地名 30」 由良 勇著より)
国道12号線から入り組んだ住宅街を通り抜け、オサラッペ川の河川敷につくられた駐車場に車を止め、川を渡ると目の前が北邦野草園です。
野草園を楽しむ前に、体力のある内にまず標高253mの嵐山の上にある「嵐山展望台」へ:
展望台へは、車で砂利道を登ってゆくルートを使えば早いのですが、今日は山道を楽しむために嵐山公園センター(北邦野草園側)から徒歩で登ることに。
行き交う人もほとんど無く、急傾斜のところも多いため足下に注意しながら木々の間をひたすら頂上へと歩き続けました。
斜面のあちらこちらで、コブシの花が咲き出しています。
嵐山公園センターを始点に展望台まで徒歩で登るルートもいろいろありますが、最短コースを選べば約20分ほど。
今日はのんびりと草木を楽しみ写真を撮りながら、それでもじっとりと汗をかくこと約1時間弱で展望台に到着。
展望台からは旭川市街地が一望でき、市街地から嵐山に向かって流れてくる石狩川などの川の蛇行がまず目につき、広々とした風景が広がります。
また左手方向には道央自動車道。
そして視界が良ければ大雪・十勝岳連峰を望むことができるのですが、今日も靄がかかり全く確認できません。
またここは地元の方々お勧めの旭川市夜景スポットの一つでもあります。
「嵐山」と言えばどうしても生まれ故郷の京都を思い浮かべますが、そう言えば沖縄に行った時にも同名の公園がありました。
当地も明治時代に開拓使がこちらを視察の折、展望台からなどの景色が京都の嵐山に似ていることから命名されたそうです。
道内第二の都市の側に、このような豊かな自然が今なお残されています。
嵐山公園は旭川営林局国有林を無償貸与された地区で、付近は保安林や鳥獣保護区指定地域が多く、1998(平成10)年に旭川市は近文山、嵐山、下半面山の頂上を結ぶ国有林(122ha)を買収し、公園として整備され無料で開放されています。
一汗かき終わったところで展望台を後にして北邦野草園へ。
野草園は嵐山公園センターに隣接する斜面一帯につくられており、12.25haの面積に今では約600種類の植物が生育しています。
1972(昭和47)年5月に旭川営林局が開園し、雪どけ4月上旬の春から晩秋まで多種多様な花を咲かせています。特に珍しいのは北方系植物が見られること。
四季折々、切れ目なく咲く北方系植物の集成群落としては国内唯一のものです。
園内は山の斜面でもあり、30分コース、1時間コース、2時間コースの3つの野草観察コースが設けられており、体力と時間の許す限りゆっくりと散策を楽しんでください。
自宅から1時間足らずで行け、花好きの者にはたまらない様々な種類の植栽された野生植物。それらが自然に近い状態で観察できる野生植物園なのです。
自然に見せることがどれだけ大変で日々の手間暇がかかるかを知っているだけに、手づくりを感じさせない園内は見事の一言です。
とうぜん多数の植物を正しく知らなければ不可能なことです。
これほど多くの野草を直接観察できるところは他には見あたらなのでは。
また野草園入口横の嵐山公園センターでは、園内に咲く四季の野草の写真や資料はもとより、パソコンを使って嵐山の植物を見ることもでき、こちらは植物に関する総合資料館。
このようにいつ足を運んでも、自然度の高さがうかがえ植物を調べるにはまたとない生きた博物館。 それが嵐山公園(北邦野草園)です。
北海道旅行で旭川近辺にお越しの際は、森林浴コースなどもあり近年注目を浴びているヘルスツーリズム の旅行メニュー加えられてはいかがでしょうか。
森林浴のフィトンチッド効果により体も心もリフレッシュに。
※ ヘルスツーリズム(Health Tourism)
ヘルスツーリズムとは、自然豊かな土地を訪れ、そこにある自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒され、健康を回復・増進・保持する新しい観光形態であり、医療に近いものからレジャーに近いものまで様々なものが含まれる。
心や体に対してよい効果を与える旅行をさしている。
→ 北邦野草園[嵐山公園] QTVR映像
→ 北邦野草園[嵐山公園] QTVR映像
→ 北邦野草園[嵐山公園] QTVR映像
【北邦野草園:嵐山公園内】
◎所在 上川郡鷹栖町嵐山
◎面積 12.25ha
◎沿革 昭和47年5月 旭川営林局で開園。平成10年4月に旭川市の所管となる。
◎コース 園内には、延長約5.2kmにおよぶ遊歩道があり、30分、1時間、2時間のコース設定が設けられている。
◎交 通 車利用→JR旭川駅から北西に約7km。河川沿いに無料駐車場有り。
バス利用→あさでん33番(1条8丁目のりば)から北邦野草園で下車(徒歩約15分)
◎開園期間 4月29日 ~ 10月15日(天候等により変更あり)
◎開園時間 午前9時~午後4時30分(入園4時まで)
◎休園日 第2・4月曜日(月曜日が祝日の場合は開園し、翌日休園します)
◎入園料 無 料
◎連絡先 開園期間中 → 嵐山公園センター:電話0166-55-9779
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